ほくろ除去の代表的な方法と最適な時期の選び方


ほくろ除去を検討する際、多くの人が「いつが最適な時期なのか?」「どの方法を選べば良いのか?」という疑問を抱きます。実は、ほくろ除去で後悔するかどうかは、選択する方法とそのタイミングに大きく依存しています。
この記事では、さまざまなほくろ除去の方法と、それらを行うのに効果的な時期を解説し、あなたが後悔のない選択をするための情報を提供します。肌の健康と美しさを守りながら、最適な方法でほくろを除去するためのポイントを見ていきましょう。

ほくろ除去の代表的な6つの方法

ほくろ除去には多くの方法があるため選択肢が多く、自分の状況や希望に最適な方法を探すのはとても大変です。そのため、ここではほくろ除去の代表的な施術方法について、施術の際のメカニズムと注意すべきポイントの2つの観点から紹介します。ぜひ参考にしてください!

切除縫合法によるほくろ除去

切除縫合法によるほくろ除去のメカニズム

ほくろ除去の切除縫合法は、皮膚の一部を切り取ってほくろを除去し、その後で切開した部位を縫合する手術方法です。
まず、医師がメスを用いてほくろとその周辺の少しの皮膚を円形または楕円形に切り取ります。深いほくろの場合は、皮膚の下層まで切除することがあります。次に切除した部位を綺麗に閉じるために、縫合糸を使って丁寧に縫い合わせます。この縫合は、傷跡を最小限に抑えるために重要な工程です。術後1週間程度で縫合した場所を抜糸し、その後数か月にわたってケアを行うことで傷口がふさがり、跡が目立たなくなります。

この方法のポイント

  • 大きなほくろや、深く皮膚内に根を張っているほくろの除去に適している
  • 手術によって傷跡が残る可能性があるため、術後のケアが非常に重要
  • ほくろ周辺の広範囲を切り取るため、再発の可能性が低い
  • 費用の相場が高い
  • 保険適用が可能な場合がある

くりぬき法によるほくろ除去

くりぬき法によるほくろ除去のメカニズム

ほくろ除去のくりぬき法は、ほくろとその周囲の少量の皮膚組織を円形にくり抜くように切除します。
この方法では専用の円筒形の器具を使用して、ほくろとその周辺の皮膚を一定の深さまでくり抜きます。この器具はさまざまなサイズがあり、ほくろの大きさに応じて選択されます。くり抜いた部分が深い場合は、縫合して閉じることがありますが、浅い切除であれば自然治癒を促すこともあります。

この方法のポイント

  • 直径が小さく浅いほくろの除去に適している
  • 比較的小さな傷跡が残るが、縫合によりさらに目立たなくすることが可能
  • 比較的短時間で行うことができ、回復も早い
  • 費用の相場が高い

炭酸ガスレーザーを使った方法によるほくろ除去

炭酸ガスレーザーを使ったほくろ除去のメカニズム

炭酸ガスレーザーによるほくろ除去は、非接触式で精密な治療が可能な方法です。炭酸ガスレーザーは、高エネルギーの光線を照射し、皮膚表面の組織を蒸発させることでほくろを除去します。レーザーの波長は、水分を含む組織によって強く吸収されるため、正確に目的の組織を選択的に処理できます。
レーザー照射によりほくろの組織が瞬時に蒸発し、その場でほくろが除去されます。ほくろを除去した部分の皮膚は術後数か月で再生します。

この方法のポイント

  • 表面的なほくろ小さなほくろに適している
  • 傷跡を最小限に抑えられるが、治療後のケアが重要
  • 回復期間が比較的短いが、治療部位の赤みや腫れが数日間続くことがある
  • 皮膚の深い部分のほくろを除去できないため、再発する可能性がある
  • 費用の相場が比較的安い


Qスイッチレーザーを使った方法によるほくろ除去

Qスイッチレーザーを使ったほくろ除去のメカニズム

Qスイッチレーザーは、特殊なパルス状のレーザー光を照射することで、メラニン色素にのみ熱エネルギーを与え、ほくろを破壊します。
レーザー光は、メラニン色素を瞬時に加熱し、小さな断片に分解します。分解されたメラニン色素は、その後、体内の免疫システムによって自然に処理され、徐々に体外に排出されます。これにより、ほくろの色が薄くなり、最終的には目立たなくなります。

この方法のポイント

  • 色素が濃く、表面的なほくろの除去に適している
  • 皮膚表面にダメージを与えることなく色素にのみ作用するため、非侵襲性で安全
  • 治療後は、治療部位が一時的に赤くなることがある
  • 最新の機器で取り扱うクリニックが少ないため、費用は比較的高額

電気メスを使った方法(電気凝固法)によるほくろ除去

電気メスを使ったほくろ除去のメカニズム

電気メスによるほくろ除去は、電気凝固法とも呼ばれ、高周波の電気エネルギーを使用してほくろを凝固・炭化させ切除し、同時に止血する治療法です。
電気メスは高周波の電気エネルギーを利用して組織を切開します。このエネルギーがほくろの組織に接触することで、組織を瞬時に加熱し、蒸発させます。電気メスによる加熱は、切開部位の小血管を同時に焼閉し、出血を最小限に抑えます。これにより、治療中の視界が良好に保たれ、処置が容易になります。

この方法のポイント

  • 小さなほくろ表皮に位置するほくろの除去に適している
  • 治療後に軽度の傷跡が残る可能性があるため、顔や目立つ部位のほくろ除去には慎重な検討が必要
  • 治療部位が一時的に赤みを帯びたり、腫れたりすることがあるが、一般的には回復が早い
  • 費用の相場は比較的安い

サージトロン(高周波メス)を使った方法によるほくろ除去

サージトロン(高周波メス)を使ったほくろ除去のメカニズム

サージトロンから高周波ラジオ波を照射し、組織内の水分に作用することで熱を発生させ、ほくろを切除します。
サージトロン装置は、非常に高い周波数の電波を生成し、これを治療部位に適用します。この高周波電波が皮膚組織と接触すると、組織内の水分子が振動し、熱を発生させます。生した熱によってほくろの組織が蒸発し、その結果、ほくろが除去されます。このプロセスは非常に正確で、周囲の健康な皮膚へのダメージを最小限に抑えることができます。

この方法のポイント

  • 5mm以下のほくろ除去や、小さなほくろが多数散らばっているような場合などに適している
  • 熱の影響を受ける範囲を細かくコントロールできるため、周囲の皮膚へのダメージが少なく、傷跡が残りにくい
  • レーザーや電気メスと比べて熱変性*が少ないため、術後の治療部分の赤みを抑えられる
  • 費用の相場は比較的安め

*熱変性とは、物質に熱が加えられることにより、性質が変化する現象です。特に人体を構成するタンパク質は、熱に弱い性質を持ち、熱を加えられることにより性質が大きく変わります。

引用:熱変性 – 美容皮膚科 – 用語辞典 – 美容整形、美容外科なら聖心美容クリニック

自力でほくろ除去はできる?

上記のようなクリニックでの治療法だけではなく、自力で試せるほくろ除去の方法もいくつか存在します。これらの方法は自宅で手軽に試すことができますが、非常に多くのリスクを伴います。

  • 市販の除去クリーム:ほくろに除去クリームを塗り、化学反応で焼くことで除去を試みる方法。
  • もぐさ:ほくろに直接もぐさをのせて火をつけることで除去を試みる方法
  • レーザーペン:ペン型のレーザーをほくろに照射することで除去を試みる方法
  • カッターや針での切除:カッターや針を使ってほくろを直接切り取って除去を試みる方法

自力でできるほくろ除去には、具体的に以下のようなリスクが伴うことが考えられます。特に、感染症や悪性の見逃しは重症化する場合もあり、命にかかわる危険性もあります。

リスクの種類具体的な例
感染症不衛生な環境や器具を使用することで、傷口から感染してしまう
悪性の見逃しほくろが悪性メラノーマなどの皮膚がんである可能性を自己診断で見落とす
不完全な除去ほくろの根が残ってしまい、再発してしまう
傷跡や変色傷跡や皮膚の変色を残し、結局は美容的な問題を悪化させてしまう

クリニックでの治療をおすすめします。

専門的な診断と治療を受けることが、ほくろ除去において最も安全かつ効果的な方法です。クリニックでは、専門医がほくろの性質を正確に評価し、適切な治療法を提案します。また、医師は感染リスクを最小限に抑え、美容的な結果も考慮した上で治療を行います。

自力でのほくろ除去は大きなリスクを伴います。もしほくろの除去を考えているなら、リスクを避け、美容的な結果も期待できるクリニックでの専門的な治療を受けることを強くおすすめします。安全で確実な治療のために、専門の医療機関を利用することが最善の選択です。

ほくろ除去に最適な時期とは

ほくろ除去を検討する際、治療を受ける「最適な時期」を知ることは重要です。最適な時期は、個人のライフスタイル、ほくろの状態、および治療後のケアに大きく依存します。

紫外線への露出が少ない時期

紫外線は傷跡の色素沈着を促進する可能性があるため、秋から冬にかけての紫外線の弱い時期にほくろ除去を行うことが推奨されます。夏場は紫外線が強く、治療後の皮膚が日焼けするリスクが高まるため、避けた方が賢明です。また、低い気温から半そでより長袖を着る機会が多いため、治療部分を隠しやすいというメリットもあります。治療部分を隠すことで傷跡を紫外線から保護でき、周囲にも気づかれにくくなります。

社会的・職業的なダウンタイムがとりやすい時期

ほくろ除去後は、治療部位が赤くなったり腫れたりすることがあります。社会的な予定が少ない時期や、仕事での重要なイベントがない静かな期間を選ぶことで、回復期間中のストレスを最小限に抑えることができます。

個人の健康状態が良好な時期

体調が良好で免疫力が高い時期にほくろ除去を行うと、治療後の回復がスムーズになります。体調が悪い時期やストレスが多い時期は、回復が遅れる可能性があるため避けた方が良いでしょう。

ただし、以下の場合は時期を問わず早めに相談することをお勧めします。

  • 顔や首など、目立つ箇所のほくろのせいで強いコンプレックスがある
  • ほくろが悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性がある
  • ほくろの場所や大きさのせいで日常生活に支障が出ている
  • どうしても自分で触って刺激してしまう

適切な方法と時期を理解して、後悔しないほくろ除去を実現しよう!

ほくろ除去には様々な方法があります。重要なのは、ほくろの大きさ、深さ、位置に応じて最適な方法を選ぶことです。また、経済状況や理想的な仕上がりなど、自身の希望に合った方法を選ぶことも重要です。医療機関で専門医と相談し、自分のほくろの特性と治療法の特徴を照らし合わせ、最も適切な方法を選定することが重要です。


ほくろ除去のタイミングも大切です。紫外線が強い時期は避け、治療後の肌への負担を最小限にすることが推奨されます。また、社会的・職業的な予定が少ない時期を選ぶことで、治療後のダウンタイムに余裕を持たせることができます。


自分でほくろを除去しようとする試みは、感染症や傷跡形成、さらには悪性の可能性を見逃すリスクなどがあり、非常に危険です。ほくろの除去は、専門的な知識と技術を持った医療機関での治療が強く推奨されます。

ほくろ除去は、適切な方法と時期を選ぶことが成功の鍵です。専門医のアドバイスを十分に受け、安全で効果的な治療を心がけましょう。